弊社上海HSTでは工場内の倉庫業務の省人化、自動化を推進するため日系と中華系パートナー様の設備機器、自動搬送機(AGV&AMR)を利用した取り組みを進めています。

設備メーカー様単独の導入は、他社の設備機器との連携が難しいため、弊社では各設備同士のシステム連携を実現するために設備連携に関係するバックヤードの開発を担当しております。

今回は設備機器を活用した半自動と全自動、省人化の紹介、弊社が実際に導入した倉庫工程運用の全自動化・省人化の取り組みをご紹介したいと思います。

自動搬送機については参考動画もございますので、併せてご確認ください。

設備機器を使った業務の半自動化と全自動化の違い

各工程の自動化を進める場合、一つ注意点があります。それは工程間の設備連携の有無です。

各工程で導入した設備が自動化されても、工程間の搬送作業をスタッフが対応するかAGVやAMRの搬送機が対応するかで、工程全体の運用が全自動化されるか半自動になるのかが決定します。

各工程間の全自動化を目指すため、弊社ではパートナー様のパレタイザーやフィルム包装機、AGVやAMRを利用し工程間の全自動化を進めています。

※AGV(automatic guides vehicle)やAMR(autonomous mobile robot)には各運用に沿ったシリーズがございます。ご興味のある企業様、業務別に動画でご紹介していますので確認ください。なお今回の記事ではAGVやAMRを「搬送機」と統一表記にて紹介します。

AGV&AMRの違いとは?

AGVは磁気テープやQRコードなど誘導体に従い自動走行します。

AMRは搭載されたセンサーによって、自己位置を把握し走行ルートを導き走行します。お掃除ロボットをイメージすると理解しやすいと思います。

またAGF(Automated Guided Forklift)と呼ばれるフォークリフトタイプの搬送機もございます。

充填作業とラベル発行作業の省力化の事例

弊社の導入例を元にご紹介したいと思います。

既存のスタッフ中心の運用

液体製品の充填作業時に充填容器の設置、製品ラベル発行、ラベル貼付け後に製品を充填しキャップ閉め作業を3名のスタッフで担当していました。

設備機器を用いた省人化運用

容器供給作業は既存運用と同じく1名のスタッフが担当。容器供給後は充填機による充填とキャッパーによるキャップ閉め、その後ラベル自動貼り付け機による運用となります。

3名で実施していた作業が1名体制となり省人化が達成されました。

パレタイジング作業と搬送の自動化の事例

既存のスタッフ中心の運用

製品出荷後の配送済みパレットまたは新規購入のパレットを所定の場所に配置。梱包後の製品箱をスタッフが積載しハンドリフト(手動リフター)にて製品倉庫へ搬送していました。

設備機器を用いた自動化運用

パレットをフォークリフト型のAGV(AGF)で搬送し保管しておきます。保管箇所はパレタイザーに付属しているパレット供給口に運びます。

パレタイザーは製品をパレットにパレタイジングし積載が完了すると排出。排出のタイミングに併せてAGVが排出口へ移動しパレットを受け取り、包装作業が必要な場合は包装作業エリアへ。

包装が不要な場合は製品倉庫や出荷場へ搬送します。4名体制の作業が全自動化されました。

包装作業の自動化の事例

既存のスタッフ中心の運用

ストレッチフィルムをスタッフにより包装し完成後にフォークリフトでパレットを倉庫へ搬送します。2名1組2チーム体制(合計4名)で作業を実施していました。

設備機器を用いた自動化運用

パレタイザーから搬送されたパレットを包装機にセットし包装作業を開始。包装後は再度、搬送機で受け取り、製品倉庫へ搬送。全作業の自動化を達成しました。

これにより4名の全スタッフの削減を達成しました。

製品倉庫入出庫の自動化の事例

既存のスタッフ中心の運用

スタッフによるフォークリフトで空きスペースへ棚入れ(入庫)、棚出し(出庫)で製品在庫を管理。

棚入れ、棚出しの作業と同時に棚のロケーションQRと製品パレットのパレットQRコードまたは製品外箱のラベルQRコードをハンディターミナルでスキャンし紐づけて在庫管理を実施します。

※在庫管理システム(WMS)をご利用でない場合、中国では一般的に「物流カード」と呼ばれる用紙に入庫と出庫の日付、数量を記述し表計算ソフトに転記して管理を行います。

搬送機を用いた自動化運用

搬送機を利用した場合は、搬送機に空きロケーションに搬送する指示を出し、棚入れ・棚出しを実施します。弊社WMSソフトで在庫管理し搬送機への入出庫の指示も行います。

パレタイジング作業の時点で搬送機側に空きロケーションへの棚入れ指示を行い、スキャン作業は不要でロケーション単位の製品在庫状況を管理できます。

AGF導入によりフォークリフト搬送スタッフによる作業を全自動化することが出来ました。

また搬送機トラブルによる入出庫作業が出来ない場合を想定し、各棚にはロケーションQRコードを付与しており、スタッフ中心の作業と同じく、ロケーションと製品パレットのQRコードをスキャンした入出庫作業も可能です。

各工程を連携するAGV&AMR動画紹介

導入実績のある弊社パートナー様の搬送機をご紹介しております。※申し訳ありませんが中国国内向け動画のため動画内の表記が中国語となっています。

重量搬送タイプ

牽引タイプ

低床タイプ

アームロボタイプ

ローラータイプ

フォークリフトタイプ

顧客応用タイプ

記事のまとめ

如何でしたか?中国の倉庫業務の自動化に関するシステム導入と設備機器の連携イメージをご紹介しました。

人手不足から中国事業の見直し、業務改善、省人化をお考えだった担当者様。お気軽にお問い合わせください。記事内でご紹介していない現場導入の動画などご紹介いたします。

お客様の現状をヒアリングしまして、最適なご提案を致します。