中国の製造工場の運営で弊社がご相談を頂く内容の一つに「在庫管理」のシステム化があります。

意外に思うかも知れませんが在庫管理に関する運用は中国ではまだまだ手動による表計算管理が多く、在庫管理システムを導入しているお客様でも財務管理のための在庫管理システムで、現場側の運用改善に繋がるシステムではない場合があり、弊社は現場改善のお悩みを抱える日系企業向けにシステム導入を行っています。

今回は自動車サプライヤーに導入しています、原料・部材品・仕掛品・製品の在庫管理システムの基本的な在庫管理の機能についてご紹介したいと思います。

お客様の在庫管理の問題点


お客様とのヒアリングでよく聞く問題点として、目視と手入力による在庫確認作業の改善です。

手作業中心の作業は数量確認の間違い、記入間違い等のヒューマンエラーを生じさせるためです。

在庫は原料、委託品、仕掛品、製品など倉庫エリアを分けて管理しているものの、手作業による在庫数の管理のため、各在庫の数量をリアルタイムに把握していない、または棚卸しを実施しておらず在庫数が分からない等の在庫数が不明確な運用が起きています。

在庫が不明確なため急に在庫不足が判明し緊急発注の対応を行い、余計な発注コスト製造計画の変更を余儀なく行う必要が生じます。

また委託倉庫を利用している場合、委託倉庫から在庫数の連絡が週1などの報告で、リアルタイムで正確な在庫把握が実現できない問題を抱えている日系企業様がいらっしゃいます。

在庫管理システムのポイント


弊社在庫管理システムではラベルプリンターやレーザープリンターを利用して原料や製品などに統一ラベルを発行し個体管理を実施します。

ラベルにはQRコードを付与しコード体系やロット、入庫日などの情報を保存しQRコードを活用して在庫管理を行います。

在庫管理システムでは棚や置き場にQRコードを付与してロケーション管理を実施。ロケーション管理を実現することで、各棚や置き場にどんな原料や製品が保管されているかが把握できます。

倉庫からの出庫は先入先出による管理を実現し保存期間が古い品を優先的に出庫。もし誤って新しい品を出庫すると警告アラームにて出庫ミスを防ぎます。

また日本など国外から取り寄せる輸入品は納期の時間が必要となります。また使用量が多い品は定期的な発注が必要となります。

そのため「安全在庫数」を設定すると、安全在庫数を下回った時点で、操作スタッフに通知し発注を促す運用も可能です。

各在庫の管理ラベル


システム導入にあたって日本や中国の仕入先から入荷した原料や部品については工場入庫の時点で「統一原料ラベル」を発行し各対象品に貼り付けます。

「統一原料ラベル」には目視確認で必要となる情報、システム管理で必要となる情報をQRコードに保存しラベル印刷を行います。

また「統一原料ラベル」を工場で発行し貼る作業が面倒な場合は、仕入先にPDFデータを渡して貼り付けた状態で入荷する運用などのご提案も可能です。

なお工場内で製造した仕掛品や製品には「社内かんばん(社内現品票/社内エフ)」で管理をしている場合は、社内かんばん自身にQRコードを付与することで在庫管理が行いやすくなります。

在庫管理システムの主な機能の紹介

実際に在庫管理システムを導入するには、どのような手順を踏めばいいのでしょうか?ラベル発行から実際の入庫と出庫でのシステム運用について原料の入出庫を例に運用方法をご紹介します。

統一原料ラベルの運用準備


先ほど紹介しましたが原料が入庫されると「統一原料ラベル」を発行し原料に貼り付けます。

ただ原料にラベルを貼り付ける運用が手間な場合は、発注量が多く協力を頂ける仕入先に対しては必要な原料ラベルデータを送付して原料に貼り付けた状態で出荷してもらう運用方法があります。

この運用方法は社内で統一原料ラベルのデータを準備し仕入先にPDFデータを送付。原料ラベルデータを受領した仕入先はラベルを発行し原料に貼り付け。その後出荷と言う流れとなります。

社内倉庫の入庫管理


仕入先より受領した原料は社内で原料検査を行い、問題がなければ倉庫内に入庫し保管となります。

原料を保管するエリアには「QRコードを付与したロケーション番号」を設置。

入庫した原料に貼り付けている「原料ラベルのQRコード」と「ロケーションのQRコード」をハンディターミナルでスキャンし原料在庫と保管場所を紐付けて管理。

この一連の作業でどの原料がどのロケーション場所で保管されているかをシステムで把握することが可能となります。

社内倉庫の出庫管理


払出しの指示を受けた原料はシステムより「出荷指示書」を発行。出荷指示書には必要な原料と原料が保存されているロケーション番号や数量が記載されています。

作業者は指示に従い所定のロケーションへ移動します。

ロケーションで原料を確認した後、「出荷指示書」のQRコードをスキャンし、ハンディターミナルに指示書情報を取り込みます。

「ロケーションQRコード」と「原料ラベルのQRコード」をスキャンし、出荷指示書の指示に合致するロケーションと原料か、ハンディターミナルで照合確認を実施します。

問題がなければ原料を出庫し製造で利用する流れとなります。

仕掛品、製品など異なる品でも基本的な運用方法は同じ流れとなります。

記事のまとめ

在庫管理システムの基本的な流れや準備について、ご紹介してみました。

手作業中心の在庫管理が当たり前だった。物流スタッフの在庫管理データが不正確で困っている。在庫データを利用したい製造部や購買部より数値が合わないとクレームになっている。

そんな在庫管理の業務でお困りの経営者様、工場長様、一度弊社までご相談ください。現場倉庫の状況を確認して、お客様に合うご提案とシステム提供をいたします。