中国のDX化導入事例の一つとして購買管理システムを導入して頂いたお客様の声をご紹介したいと思います。弊社としても思い出深い会社様の一つでコロナ禍が影響し導入スケジュールが遅延。日本担当者様の出国が難しくなり会議方法をリモートに変更し導入を完了した案件です。

またこのプロジェクトは既存稼働システムを弊社へ移行して頂きました。ご契約まで入札、提案を含めた面談など条件面のハードルが高かったのですが、その分システム導入までお客様と密に会議を繰り返したおかげで、大きなトラブルもなく安定稼働を実現させて頂きました。

記事は導入後にお客様より伺ったヒアリング内容となっています。

購買管理システムを導入したお客様情報

設立年:2004年
資本金:6,700万元
拠点:広東省
事業内容:中国生産拠点の量産設備の改良、金型の生産
システム導入範囲:購買管理システム、EDI、在庫管理システム

HSTにシステム相談をした背景

社内的に2つ大きな問題を抱えていました。

既存システムに対しての不信感

既に中国のERPソフトの購買管理システムを5年前に導入し運用していたものの、当初提案にあった申請フローのペーパーレス化が一向に前に進まない状態が継続。その後も担当企業からは「ペーパーレス化」の進め方、具体的な提案・解決案が一切出てこず、日本本社からも「本当に改善が出来るのか?」と疑問視されていました。

既存システムのランニングコスト(ユーザーライセンス・更新費用・保守費用)も高く、一部はシステム申請、大多数が紙媒体による申請が続いたため、改善の余地がないと判断し他社システムの移行を検討しました。

自社業務に合致する二次開発対応の可否

既存の購買管理システムと同等以上の機能を持ち、弊社のペーパーレス化を含めて弊社の業務運用に合致した二次開発を対応してくれそうな企業を探していた所、ご縁があってHSTさんに相談をしました。

HSTを採用したポイント

面談を通じて総合力で判断

最終的には既存のERPソフトの会社、中国ローカル企業、HSTさん、上海の日系企業2社、合計5社の面談を実施。採用条件は大まかに以下のような点がありました。

具体的な機能別の提案書、弊社提示の機能別項目に対しての機能有無・二次開発で対応可否の回答、価格面、日本人スタッフや日本語が話せる中国人スタッフの有無、日系企業導入数と導入経験値、面談時の受け答えで総合判断をしました。

既存システムの企業は最終的に明確な改善提示がなく価格も高額、上海のその他2社は日本人の営業窓口の反応が思わしくなかったり、経験値が低いのか提案自体が微妙だったりと弊社要望を満たせないと判断。ローカル企業は、価格は安かったものの提案が一般的で弊社が必要なポイントを抑えて(理解して)いませんでした。

後で分かったのですが弊社運用に合致した提案が出ない企業は、提案しているソフトの二次開発の対応が難しい点があるようでした。

HSTさんは弊社が求める内容の提案を満たし、価格面は正直5社の中で真ん中、面談での受け答えで経験値が高く、中国事情や業務に詳しい印象があり、先に触れた採用条件に近かった点、同時に購買部分以外の業務改善の相談が出来そうな印象もあり、総合的なバランスが良かったため日本の購買部責任者、中国側の購買担当と最終面談し社内会議の上、決定させてもらいました。

既存企業に対する不信感を抱く

既存システムの企業はシステム移行を断行すると思っておらず強気の価格だったようで、移行の可能性が高いと分かると低価格帯の変更通知が来ましたが、価格だけに振り回されて失敗したくない点と対応を見て更に不信感を強めてしまい選考対象外とさせてもらいました。

システム移行は現状システムの切り替え、利用者の再教育などスケジュールの線引も必要になり、HSTさんからは他社でもシステム移行の経験があるとの事でシステムの移行日程表も頂くことが出来ました。

導入した購買管理システムで特に役に立った機能とは

担当者別作業の振り分け機能


弊社は調達品が多いため必然的に仕入先数も多くなり、見積もり依頼時は各申請情報を元に購買部の担当に仕事を集約し振り分ける「振り分け作業」に時間が掛かっていました。

現状、購買担当別に社内分類の仕事を集約して仕入先に依頼。または担当者別に1つの仕入先へ依頼をすることで、仕入先に対して異なる担当から異なる複数の依頼通知を実施しない運用を採用していましたが、この「振り分け作業」の手配に時間が必要でした。

新規システムでは人を介さず申請情報を元に自動的に集計し振り分けする運用が実現しました。

作業工数を100として比率換算して考えた場合、既存は14工数が必要でしたが自動的にシステム振り分けが可能となり4工数で完結できるようになりました。

単価契約品・定期発注機能


既存システムで満たせていなかった業務部分は、どうしても人が介在するためヒューマンエラーが発生していました。

例えば新システムでは単価契約した仕入先の契約内容と契約期間を登録すると、メールの事前通知機能があるので期限切れを起こす前に仕入先と次回契約をスムーズに締結できるようになりました。

同じように定期発注品は週単位や月単位、年単位に定期発注情報を登録。指定期日に自動的に仕入先に発注されるため、発注忘れや発注ミスを防止できるようになりました。

購買管理システムを導入後の状況

申請業務が全てペーパーレス化を実現

結論から言うと課題だったペーパーレス化を達成しました。申請に関する全ての書類もシステム内に添付が可能となり社内の電話連絡、メール等の連絡が基本的に不要に。

今回はEDI機能も日本本社のセキュリティの条件を満たす環境化で設置可能だったため購買管理システムと併せて導入しました。仕入先とのメールやFAX、電話でのやり取りが無くなった上、データ共有が取れるため、行き違いや受け渡し忘れ、通知ミスがなく購買管理システムの画面を通じて全て処理が完結する環境を構築できました。

電子発票データをEDIに活用

中国では「電子発票」の運用も開始されたため、今回のEDI機能で「電子発票」の添付機能も採用しました。

具体的には今までは仕入先から発票原紙または発票データを受領し社内で印刷。支払申請時に添付して各課に渡して処理を進めていました。

システム導入後は仕入先からEDIを経由して電子発票データを受領し社内の支払申請がシステムで完結するようになりました。

EDIは常時契約がある企業をメインとし、スポット契約の企業は購買管理システム経由でメール通達が可能なため運用の幅があるのも助かる点です。

在庫管理と連携し入荷実績確認もスムーズに

今回EDI機能に「現品票(送り状)」添付機能を搭載。現品票にはQRコードを付与し、注文番号を保存。仕入先から弊社倉庫に到着した際に倉庫スタッフはハンディターミナルでQRコードをスキャンします。

スキャンしたタイミングで注文した実績情報が購買管理システムとデータ連携。今までは入荷実績データを既存システムに手入力して情報共有する必要がありましたが、スキャンのタイミングで実績データが自動連携するので入力の手間とミスが無くなり、リアルタイム化が実現しました。

58%の作業短縮で省人化したスタッフを配置転換

システム導入で省人化に成功した事で、元々の購買業務担当を今まで不足していた仕入先の調査部署に配置転換

振り分け機能で作業工数が大幅に削減されたように、業務全体を通じて比較検証した所、購買申請から支払申請までシステム移行前は作業時間が比率として100掛かっていた作業がシステム移行後は42まで短縮化(58%削減)が実現できました。

また元々想定していた内容が社内の状況により一部変更など発生したのですが、HSTさんが柔軟に対応、別提案や弊社スタッフへの折衝などしてくださった点もシステム以外で助かった点です。

記事のまとめ

如何でしたか?購買管理システムを導入して頂いた企業様のご紹介でした。

コロナ前にご相談を受けた案件で本来は日本より定期的に購買担当者が中国に訪問しながらシステム仕様の決定を実施予定でしたが、コロナ禍に入ってしまいWEB会議を中心に仕様決定を進めさせて頂きました。

直接お会いできない為、日中間のちょっとしたニュアンスの違いや説明内容の確認など想定していない部分も発生しましたが無事に導入し通常稼働しております。現状は仕入先別の購入金額別の分析データの自動作成など、購買管理システムを中心に業務改善に必要な追加開発を検討して頂いています。