秤量間違い・原料選択ミスによる廃棄問題を解決するために弊社の秤量管理システムを導入したお客様の実績をご紹介。
今回のお客様は2社の上位システムが存在し、秤量システムと上位システムとの連携が必要な開発難易度が高めのプロジェクトでした。
システム導入のポイントやお客様のシステム導入の苦労話などご紹介したいと思います。
この記事の目次
・システム導入範囲とお客様の基本情報
・秤量管理システム導入の背景
・秤量管理システム導入の苦労話
・上位システム連携&秤量管理システムの導入ポイント
・現行と今後の秤量運用イメージ
・稼働中の秤量管理システムの評価と展望
システム導入範囲とお客様の基本情報
システム導入範囲
秤量運用のシステム化、用友生産管理システム、他社在庫管理システムとのデータ連携。
お客様情報
【本社基本情報】
設立:1912年
資本金:1.2億円
従業員:2,199名
【中国拠点情報】
設立:1997年
拠点:蘇州、杭州
取扱品:化粧品・日用品
秤量管理システム導入の背景
秤量予定の原料の間違い、秤量値の間違いが発生し調製した製品の廃棄が多発。原料コスト・スタッフ手配・残業コスト・追加原料の調達など課題があるため、秤量時の原料の取扱ミスと秤量ミスの予防を検討。
現状は用友生産管理システムで生産計画と生産管理、他社の在庫管理システムを稼働中。
2社には秤量管理システムが無く、導入可能な企業を調査。また2社のシステムはそのまま利用予定のため、連携対応を請け負えることが必須。
また現状のシステム運用では必要な情報を手作業で入力やラベル裁断など人に頼る運用があり、運用のデジタル化を希望。
秤量管理システム導入の苦労話
用友と他社の在庫管理システムが稼働しており、稼働中の2つのシステム間のデータ連携が生じるため、データ連携の開発が可能で秤量管理システムの導入経験のある企業がなかなか見つからなかった点。
今回HSTは秤量管理システムの実績がある点以外に用友との連携経験がある点、他社の在庫管理システム連携も可能との話を受け、システム導入を進める事にしました。
また2社のシステム企業には事情を説明しHSTにシステム開発の協力要請をしました。
上位システム連携&秤量管理システムの導入ポイント
手作業を廃止し自動化
秤量後の原料に貼る「秤量ラベル」は用友システムより事前に印刷。印刷方法は通常のA4用紙に8種類のラベルが分割印刷されていたため、用紙を裁断機でカットする作業が必要でした。
また裁断作業の手間だけではなく事前に「秤量ラベル」を準備するため、秤量作業時に貼り付け間違いが発生。
そのためシステム導入後は秤量作業時に自動的に「秤量ラベル」を発行する運用に変更し貼り付けミスを防止。
手書きによる秤量管理の廃止
秤量作業は目視で秤量値を確認し、秤量ラベルや生産指示書に手書きで記入。その後記入した情報を表計算に転記する作業を廃止。
今後はシステムで秤量したタイミングでデータをリアルタイム保存。秤量値の達成状況もシステムで判断し秤量作業を標準化。
秤量の目視と照合の廃止
倉庫から払出した原料は「生産指示書」と「原料ラベル」を目視で照合確認し、秤の秤量値も目視で確認だったので、ヒューマンエラーが発生。
QRコードとシステムによるデジタル照合と、「生産指示書」データを秤量管理システムと連携させデジタル秤で秤量値を管理し人による確認作業を廃止。
各システム間の連携
弊社の秤量管理システムで利用するデータは上位システムより入手が必要。
また秤量後のデータを上位システムに受け渡す必要があるため、上位システム担当の企業に相談しデータ受け渡しの開発をHST側で担当し必要データの連携を実現しました。
現行と今後の秤量運用イメージ
現行の秤量運用イメージ
ステップ1
秤量作業前に用友システムよりA4サイズで6分割が必要な「秤量ラベル」を発行。ラベルにはQRコードが無く、A4用紙を裁断機でカット。
カットした「秤量ラベル」は秤量する現場に手渡し。
ステップ2
用友システムより「生産指示書(QRコード無し)」を出力。秤量作業時に「原料ラベル」と「生産指示書」を目視で原料間違いの有無を照合確認。
ステップ3
照合後に対象原料を容器に移し替えながら秤で計測。必要な重量達成は目視で確認し、容器に秤量ラベルを貼って投入口に搬出。
ステップ4
秤量した原料が余った場合は「原料ラベル」と「生産指示書」に原料の残量を記入して秤量作業を完了。
今後の秤量運用イメージ
ステップ1
「生産指示書」は用友システムの出力から弊社の秤量管理システム経由で出力。出力時に生産指示番号のQRコードを付与します。
秤量前に「生産指示書」と「原料ラベル」のQRコードをスキャンしシステム照合。
ステップ2
照合完了後にパソコンと連携したデジタル秤で対象となる原料を秤量。必要な秤量値をシステムで管理しターゲットの値になるとシステム側で画面通知。
ステップ3
必要な原料の値が達成されると「秤量ラベル」をその場で発行。秤量した容器に貼り付けて調製工程に搬送します。
ステップ4
仮に秤量で利用した原料が余った場合は余った原料向けに「原料ラベル」を発行し貼り替え。原料倉庫に再入庫します。
稼働中の秤量管理システムの評価と展望
現在6ラインある生産ラインのうち1ラインの導入が完了しテスト稼働をしていますが、スタッフのシステム運用が習慣化され、ハンディターミナルによる照合作業でミス排除が確認できたので、残りの5ライン全てを年内に導入するスケジュールで進めています。
記事のまとめ
如何でしたか?既存のシステムと連携したシステム導入の事例でした。
弊社用友システムの開発経験が豊富なため、今回のような用友や他社システム連携により、お客様の工場全体の効率化のお手伝いが可能です。
既存のシステム会社で対応が出来ないシステム導入を検討している。導入を希望しているシステムと既存のシステムを連携したい、そんなご要望の企業様、一度弊社までご相談ください。
お客様のシステム環境を整理しましてご提案いたします。