中国の人件費の高騰を受け事務スタッフの定例作業や単純作業の見直しを進める日系企業様も多く、システム会社である弊社は「RPA」を利用した業務運用カイゼンのご提案をしています。
今回はRPAを導入し作業の省力化を実現した弊社のお客様の導入前後の運用方法や作業時間の比較をご紹介したいと思います。
どのように中国の現場カイゼンを行えばよいか?検討中のお客様のヒントになればと思います。
RPA導入前の運用に関する問題点
お客様の運用の問題点は以下のような点でした。
交通費の精算書と発票・請求書の入力
お客様は100名ていどのスタッフが勤務しており、営業部門・サービス部門などのスタッフが交通費を精算する場合、毎月各スタッフが表計算の精算書を作成し管理部門に提出。
担当スタッフが提出した資料をシステムに入力しており、100名分の表計算資料をシステムに転記する作業に時間を割いていました。
また仕入先から入手する「発票」と「INVOICE」も、入力作業が多い点が問題となっていました。
月末に入力作業が集中
各スタッフから入手する交通費の精算、発票も月末に受領することが多いため、どうしても月末に集中します。
他の事務作業の月末対応と重なるため、作業の分散化・効率化の見直しが急務でした。
大量の入力業務でヒューマンエラー発生
大量のデータを単純に繰り返す入力作業を月末の限られた時間で対応するため、どうしても確認ミス、入力ミスが発生し締め日直前の見直し作業で苦労をしていました。
作業のブラックボックス化
他のスタッフを増員して対応も検討しましたが、作業がブラックボックス化しており明確にルールを整理する時間の確保、スポット対応の人員を月末のみに手配するのが難しく、結局既存の熟練度の高いスタッフに頼らざるを得ませんでした。
RPA導入前の運用イメージ
交通費の精算処理の流れ
RPA導入前は配送・営業・メンテナンスサービス等のスタッフが会社へ請求するガソリン代・タクシー代・高鉄チケット代などの交通費を統一フォーマットに記載。
営業などは移動も多いため、精算項目がフォーマット1枚には収まらず、複数枚のフォーマットに入力する場合も。
記載が終わった統一フォーマットは回収後に担当スタッフ2名が上位システムへ入力し精算処理を行っていました。
発票&INVOICEの処理の流れ
中国国内のサプライヤーから受領する「発票」が毎月1,000枚程度、中国国内のサプライヤーから受領する「INVOICE」が100枚程度あり、担当者1名で全データを入力。
月末に集中するため、早急なカイゼンを検討していました。
RPA導入後の運用イメージ
RPA導入後の交通費の精算処理の流れ
RPA導入後はスタッフより回収した共通フォーマットの資料をRPAで自動的に処理するだけ。
RPA経由でフォーマットの値を上位システムに入力し作業を完了させます。
RPA導入後の発票&INVOICEの処理の流れ
仕入先からは紙媒体の資料とPDFの何れかで「発票」と「INVOICE」を入手するため、紙媒体は一旦スキャナーとOCRソフトを利用しデジタル数値化。
PDFで受領したデータは直接OCRソフトでデジタル数値化を行いRPAで上位システムに自動入力を実施します。
RPA導入後の運用作業の効率化の比較
RPAの導入効果として、導入前の交通費の精算入力は100名の資料を1名辺り平均10分程度の入力時間が必要でした。そのため16時間(2日)の時間が必要でした。
RPA導入後は1時間で60枚の資料を自動処理ができ、1.67時間(0.2時間)で処理が終わるため、約10倍の作業効率化を達成。
導入前の「発票」と「INVOICE」は1,100枚の資料を1枚辺り5分程度で入力、90時間(11日)の時間を必要としていました。
RPAでは1時間で200枚の自動処理ができ、5.5時間(0.69日)で処理が終わるため、16.4倍の作業効率化を達成しました。
RPA導入の進め方イメージ
今までシステム導入のご経験がない企業様もいるかと思います。
基本的なRPA導入を進める手順として、お客様と何の業務運用を見直したいか、エンジニアがお客様とヒアリングを実施します。
業務規模により数回のヒアリングを重ねさせて頂きます。
その後、ヒアリングで伺った見直し対象フォーマットを持ち帰り読み取りテストや入力テストを実施。不明点がある場合は再度お客様にフィードバックして状況確認を行います。※秘密保持契約が必要な場合は、開発契約とは別にこの時点で締結を行います。
テスト結果を報告後、お客様が内容にご満足いただいた場合は、開発にかかる費用のお見積りを提出。
見積内容に問題がない場合は契約締結し、開発と導入を実施します。
導入はインストール作業、現場状況でのテスト、担当者への操作教育を行います。導入後も不明点があれば弊社でフォローをしながら運用を継続して頂きます。
記事のまとめ
RPAの導入実例と導入までの流れをご紹介しました。
システム化を躊躇している、日本語が出来るシステム会社を探していた、こんな運用がシステム化できるか相談してみたかった。
そんなお悩みをお持ちだった総経理様、総務部担当者様、財務部担当者様、一度弊社までお気軽にご相談ください。
お客様の現状の運用をヒアリングしまして適切なご提案をいたします。