弊社HSTは中国全土でシステム導入を展開しておりますが、各地のお客様よりご相談を受ける案件で最も多いのは工場や倉庫の「在庫管理システム」の検討です。

在庫数の見える化、顧客からの出荷クレーム防止、適正な原料出庫による生産効率の安定化など在庫管理に求められるご要望は様々です。

今回ご紹介するお客様は物流センターで導入決定した在庫管理システム例となります。

保管業で必要な最低限の入出庫機能ロケーション管理先入先出(FIFO)、顧客向けの機能として保管期間の請求日付計算を開発したシステム導入の取組みをご紹介。

物流センターで製品保存管理をしていたお客様の課題

中国の物流センター(3PL)の手作業の課題点問題点
システム導入の背景は中国全土で保管業を営んでいるお客様は、大型製品の保管が中心だったため、入出庫の物量自体が少なく品番や出荷数は目視確認と表計算による手入力で対応中でした。

ただし新規の顧客獲得のため、中型品や小型品の管理案件の営業活動を開始。獲得した小型品を取り扱う顧客様の保管管理を始めると、管理数が多いため出荷数の間違い、先入先出ミス、品番誤りが発生。

表計算管理による在庫数管理の間違いや顧客への請求額のミスも起こってしまい、手作業中心の管理には限界を感じていました。

また大型品と違い入庫、出庫の出し入れの作業量が非常に多くなることが実運用で判明。システムでカイゼンができないか相談を受けました。

課題を解決した在庫管理システムとは

中国の物流センターに導入した在庫管理システムのポイント
お客様の課題をヒアリングし弊社からご提案した機能は以下です。

基本の入庫と出庫、棚卸し機能

まずは入庫と出庫の実数をシステムで正確に管理し請求時の数量の誤りを減らして精度の高い在庫管理を実施。

お客様の製品に取り付けている製品ラベルの情報を利用して、入庫と出庫、棚卸しを実施する仕組みにしました。

出庫作業と棚卸しを軽減するパレットラベル機能

お客様より出庫と棚卸しの作業は製品ラベルのバーコードをスキャンする運用のご要望を受けましたが、弊社よりパレット単位で製品数量を把握する「パレットラベル」の導入のご提案をしました。

パレットラベルには製品品番、パレット積載数量が保存されており、出庫や棚卸しの作業時に箱の製品ラベルを一点一点スキャンする運用に比べ、パレットラベルをスキャンするだけで完了するため、作業効率が上がる点をご紹介。

お客様より高評価を受けて採用いただく形となりました。

1パレット35箱が1セットの保管管理だったため、本来の予定運用は1パレット35回のスキャンが必要でしたが、パレットラベルの導入で1回のスキャンで完了。作業効率が35倍アップとなりました。

先入先出を実現するロケーション機能

お客様の強い要望の一つに先入先出管理がありました。

この管理を実現するには、先に入った製品が倉庫の棚のどこで保管し何個の製品が保存されているのか、入荷した日付別に在庫数の管理が必要となります。

そのため倉庫内の全ての棚にロケーション管理を導入。各棚に番地を振り分けて番地QRコードを貼り付け。

製品保管時は棚入れするロケーションのQRコードをスキャンし、パレットラベルのQRコードをスキャン。どのロケーションにどの製品が棚入れされたかシステム内で保存し先入先出管理を実現します。

請求作業を自動で楽に。保管日付管理機能

お客様が現在手作業で管理している製品単位の保管期間の運用。

在庫管理システム内には入荷日付、入庫日付、出庫日付、出荷日付をそれぞれ管理しており、ご要望の出荷日から入荷日を差し引いて保管期間を算出して表示する仕組みを追加開発、今までExcelで計算していた日付算出の作業から開放されました。

記事のまとめ

如何でしたか?在庫管理システムの紹介でした。

弊社システムは基本となるパッケージソフトに、お客様の業務に合わせて二次開発を行う形を採用しております。

そのため今回のお客様のように自社業務部分をシステム化して作業の省力化と精度アップの実現が可能です。

中国の在庫管理はまだまだ始まったばかりです。

中国自社倉庫の業務カイゼンを検討中の日系企業様、お気軽にお問い合わせください。日本人担当が質疑応答をいたします。

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