弊社上海HSTは日系企業を中心に製造工場の現場改善に繋がるシステム導入を実施しています。

現在の中国の製造業は人手不足が発生し限りある人材を生かして、高品質で安定した製品製造を実現する運用が求められています。

そのためシステムを現場に取り入れる企業様も多く見受けられます。

今回は中国にある日系企業の食品製造業のお客様に導入した秤量管理と投入管理のシステム導入を決断した現場の背景と導入後の運用状況をご紹介したいと思います。

中国でシステム導入を検討している企業様の参考になればと思います。

システム導入範囲とお客様の基本情報

システム導入範囲

原料の秤量管理システムと原料の投入管理システムを導入。

導入後に原料在庫管理システムを稼働させており、今回ご紹介する秤量管理システムとシステム連携。いずれも弊社システムを採用。

秤量管理システムは原料に貼り付けた「原料ラベル」と製品の「配合表データ」を元に必要な原料配合の重量をシステムで秤量し「秤量ラベル」を発行。容器に取り分けた配合予定の原料に「秤量ラベル」を貼り付ける。

投入管理システムは秤量が完了した原料を釜やタンクに投入する前段階で「秤量ラベル」を照合。

配合と合致する原料が、指定された釜やタンクの位置に正しく準備されているか?投入する原料の必要量が正しいか?など必要な照合を実施し、システムで間違いがないと判断された後に投入作業を行う。

お客様情報

【本社基本情報】
設立: 1913年
従業員:1,703名

【中国拠点情報】
拠点:上海市、遼寧省、浙江省
取扱品:食品製造

秤量&投入管理システムの導入背景

中国で秤量と投入管理システム導入前の状況

無駄な2名体制と重複チェックによる運用状況

投入ミスが発生するため現場で取った対策は現場責任者と現場担当の2名体制でのWチェックによる運用。

当日製造する生産指示書の内容を元に現場担当が確認し、最終チェックを責任者が行う体制。

そのため原料在庫の払い出し、原料の秤量作業、原料の投入の各工程で2名体制の確認が必要な状況でした。

チェックを実施しても発生する投入ミス

2名体制によるWチェックを採用していましたが、毎回人の目で判断する内容確認の運用は“慣れ”や”油断”が生じ一定期間が経過すると間違いが起きていました。

限度を迎えていた人中心の管理によるコスト増加

2名体制のチェック運用による人の配置、ミスが生じた半製品は再利用が出来ず廃棄処理となり処理コストが生じてしまう点、間違った原料を利用しているためタンクの洗浄作業など余計な作業工数(人件費)とコストが生じていました。

秤量&投入管理システムの導入後の運用状況

中国で秤量&投入管理システムの導入後の運用状況

ハンディターミナルでシステムチェック

なかなか減らない現場ミスを防ぐためにハンディターミナルを活用したチェック運用を採用。

原料には読取り作業に便利なQRコードを印刷し、ハンディターミナルでQRコードを読取り、原料の選択ミス・重量の増減ミス・投入ラインの選択ミスの判断が出来る体制を構築しました。

システム導入で2名体制から1名体制で運用

確認運用は今までの2名体制から1名体制に。目視チェックは廃止されQRコードとハンディターミナルを使いシステム内で間違いを判断。

人の運用で発生する見間違い・勘違い・チェック忘れをシステムで客観的に判断し未然に防げるようになりました。

システム導入後、1年間投入ミス発生なし

システム導入後は今まで毎月発生していた投入ミスが1年間未発生を達成。2名体制のWチェック運用でもミスが生じていたのが、システムを採用した事でヒューマンエラーを排除することが出来ました。

導入実施を踏まえてシステムのライン追加

1年間のヒューマンエラーの未発生の実績を踏まえて、その他のラインでも同じシステムを採用するために予算化。2つの製造ラインをシステム化し秤量管理と投入管理のミス予防を実現。

結果、作業スタッフの省人化と廃棄ミスによる費用負担の削減に成功。環境にも優しい取り組みを達成するよう進めています。

記事のまとめ

システム導入をさせて頂いたお客様の実績の紹介でした。

お客様のシステム導入の進め方にもありますが、全ての製造ラインの導入は行わず、実績を踏まえてシステムを導入したい、予算の都合上年度をまたいで導入を行いたいお客様にも対応しています。

現場の安定運用を実現したい日系企業様、一度弊社までご相談ください。

現場経験がある日本人がご提案いたします。

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