紡績や撚糸で利用する原料の糸は同じ品番でも糸の太さが違うと見た目では種類が分かり難いため、機械へセット時に取り付け間違いミスを起こす場合があります。

今回は配台計画を元に原料となる糸のセッティング間違いを簡易的に防止するポカヨケシステムをご紹介。

糸のセットミス以外に原料保管、原料払出しのヒューマンエラーも同時に防止する仕組みを採用したシステムとなっています。

現状の配台計画でも問題点

中国で起きる紡績や撚糸の運用配台間違い
現状の運用はシステムを一切導入せずに人による目視確認による運用となっていました。

原料は固定ロケーション管理で特定の場所に保管するのですが、入荷された原料を誤って違う場所で保管し、払出し時にそのまま気が付かず工場現場へ出庫。

現場では払い出された原料が正しいと思い込み、そのまま異なる太さの品番を機械にセットし稼働。仕掛品を廃棄してしまう問題が発生していました。

配台計画ポカヨケシステム導入後の運用イメージ

原料入庫運用イメージ

中国の紡績や撚糸の配台システム入庫編
同じ品番でそれぞれ異なるデニール情報を全てQRコード化。固定ロケーション情報として品番とデニールの情報を組み合わせたQRコードをロケーションに貼り付けて管理。

原料は倉庫に入荷されたタイミングで原料ラベルを発行。原料ラベルには品番とデニール情報が保存されたQRコードを印字します。

ラベル貼り付け済みの原料は所定のロケーションへ移動し棚入れ。棚入れ時に固定ロケーションのQRコード原料ラベルのQRコードをスキャンし照合チェック

照合間違いがなければ、そのまま棚入れ。誤りが判明した場合は正しい固定ロケーションに移動して同じく照合チェックし棚入れを行います。

原料出庫運用イメージ

中国の紡績や撚糸の配台システム出庫払出し編
原料出庫時はどの製造ラインでどの品番(デニール含む)を利用するかを管理する「配台計画書」をシステムで選択し作成。

計画書にはラインNo.とセッティングする配台箇所の連番数、利用する品番とデニールの情報からピッキングする固定ロケーションの情報がQRコード内に保存されています。

作業担当者は「配台計画書」より所定のロケーションへ移動しピッキング作業を開始します。

配台計画書、固定ロケーション、原料ラベルのQRコードをそれぞれスキャンし三点照合。組み合わせの間違いの可否を確認します。

正しい場合はピッキングを継続、エラー警告が表示された場合は、正しいロケーションへ移動、または正しい原料コードを選択して指示に沿った品番をピッキングします。

原料配台イメージ

中国の紡績や撚糸の配台システム配台セット編
各ラインの設備のセッティング箇所にはQRコードを貼付け。QRコードにはラインNo.と配台連番が保存されています。

倉庫から払出した原料は、指示書に従い指示書QR、原料QR、配台QRをそれぞれスキャンして組み合わせ確認の三点照合を実施。

組み合わせが正しければ、原料を機器にセットして次のセッティング箇所で、同じくスキャン照合し原料セットミスを防止します。

記事のまとめ

如何でしたか?

簡単ポカヨケシステムですが、製造する品種やライン数が多い工場では、ヒューマンエラー防止不良率低減作業品質レベルの安定大きな効果を発揮します。

紡績や撚糸の製造工程で同様のお困りを抱えていた、経営者様、工場長様、品質管理担当者様、お気軽にご相談ください。現場カイゼンに上海HSTがご協力いたします。

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