中国のDX化導入の一例として設備日報運用の自動化と収集の仕組みを導入したお客様の声をご紹介します。

担当したお客様は製造の川上から川下、管理部門が利用する業務に関連する全システムを弊社が開発しており工場全体のDX化を達成した先進的で理想的な工場運用となっています。

導入の重要な部分としてPLC(programmable logic controller、別名シーケンサ)のデータ活用がキーポイントです。

設備日報データ収集システムを導入したお客様情報

設立年:2003年
資本金:1,200万ドル
拠点:湖北省
事業内容:部品製造
システム導入範囲:製品在庫、出荷カンバン、設備実績収集、販売管理、購買管理など

HSTにシステム相談をした背景

大型プレス設備と溶接ロボットが稼働しており、各作業員は不具合発生時、金型取り替え時などの時間情報を日報に書き留める運用なのですが、日報の書き忘れや不具合の発生を誤魔化したり、故意に作業時間を短く書いたり、不具合が無かったことにしたりと正しい情報を収集できていない状態でした。

不具合の原因追求や生産状況を把握するには、実ショット数・溶接打点の集計や予定との比較、チョコ停などの時間情報を収集し積み上げていくことで、作業標準時間を算出しスタッフの生産性や目標値を考える事が大切な仕事の一つなのですが、その元データとなる日報が正しく無かったため、全自動による日報データの収集と分析表示を検討していました。

HSTを採用したポイント

既に別プロジェクトでシステム導入実績があり、対応実績と開発力を考えて相談させてもらいました。

ただプロジェクトを進めるにあたって正直、懸念点が3つあり実現の可能性をHSTさんと一緒に検討させてもらいました。

懸念点1:PLCデータの解析、開発の有無

設備データの収集を行う上で、そもそもHSTさんがPLCデータ収集の開発が出来るか相談が必要でした。話を伺うと他社様のプロジェクトで既にPLCの開発経験が(KEYENCE、三菱、シーメンス) あるとの事。

設備連携の開発実績もある事が分かり、懸念点2の部分の会議にHSTさんのエンジニアにもご参加いただきました。

懸念点2:設備データの収集可否の確認

日報データ取得対象はプレス機と溶接ロボットでした。これらを設備から収集が可能か?設備メーカーに確認が必要でした。

各メーカーに相談するとメーカーによっては情報公開をしていない場合があり、必要最低限の情報公開を依頼し、対応の許可を取り付けました。

その際にHSTさんのエンジニアから取得できる情報の範囲などシステム開発の目線で確認をお願いしました。それらの情報を総合して希望する仕組みが、どの範囲まで達成できるか見極めました。

懸念点3:システム展開の落とし込みの確認

次に弊社が求める業務の流れ、トラブル時の時間情報の収集など詳細部分の仕様を準備し、システムに落とし込むことが可能か?設備側の取得可能データを加味して検討させてもらいました。

HSTさん側は日本語が話せる、日本語が読めるスタッフもいらっしゃるため、コミュニケーションの問題もなく、必要とする機能についても、PLC側から取得が可能か?別途準備が必要か等メーカーから伺った情報を元に判断しました。

PLCから取得が難しい場合はタブレットと連携してデータ選択をし、それぞれのデータをシステム内で一つに統一して管理する等、最終的な仕様を決定し開発を着手しました。

導入したシステムで特に役に立った機能とは

作業実績の見える化を実現

中国DX成功事例。作業実績の見える化を実現
チョコ停含めて、どんな理由で稼働していないか?未稼働原因が予定停止かトラブルや作業遅延によるものか?が明確に判断できるようになった点が大きいです。

今まではこの根幹となる情報のブレが大きかったので原因追求も困難でした。情報の信憑性が低いと指示を行うにも迷いが生じていたためです。

現在は自動的に取得するデータの時間情報を正として、カイゼン案を各部門に通知しています。金型の問題、現場スタッフの問題、前工程の問題など分析の判断が行いやすくなりました。

正直、日本本社でも導入したい仕組みに仕上がりました。

専用ソフト&ライセンス不要でいつでも利用いつでも確認

想定していなかった部分でいうとブラウザー対応の仕組みなので、各PCに専用ソフトのインストールが不要な点とユーザーライセンスの概念がないので、ユーザーIDさえ準備すれば必要なスタッフの端末で情報確認が出来る点です。

生産状況や作業遅延は残業が発生しコスト増加に繋がります。そのため総経理は今までは日報の集計状況をスタッフに依頼して報告を受けていたのですが、状況によって報告が実際の状況とズレが生じていました。

システム稼働後は好きなタイミングで生産実績の集計状況をチェックしているようで、手軽に操作できる事もあり、稼働状況の確認が総経理の日課になっているようです。

設備日報データ収集システムの導入後の状況

中国DX導入事例。設備日報データ収集システムのカイゼンイメージ

分析のリアルタイム化、手作業による集計作業の廃止と省力化、日報データの精度アップ、日報の書き込み作業の廃止と省力化、カイゼン案のターゲットの精度アップなど一気に多くの課題が解決されました。

そもそもの話ですが記入不備や不正がなくなった点は非常に大きいです。

現在は設備が異常停止をすると原因登録が必須となり、今までのように日報に記入せず無視して作業継続が出来なくなり不正の根絶となりました。

精度の高い作業標準時間が算出され遅延発生時の原因特定にも繋がり、品番別の予定している生産高に対して実績比較、数値表示以外にグラフで当日の稼働時間や停止時間の表示など計画や実績を正しく見える仕組みが出来た点は現場カイゼンの手助けになりました。

記事のまとめ

如何でしたか?設備機器のPLCを活用した日報実績収集システムを導入して頂いた企業様のご紹介でした。

こちらの企業様とは約8年の歳月をかけて、一つずつシステムを導入して現場と業務カイゼンをサポートさせて頂きました。原料在庫から製造工程、製品在庫まで川上から川下までシステム化を実施しており、工場全体のDX化を達成されたお客様となっています。

他のソリューションはまた改めてご紹介したいと思います。

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