日本と同様、中国も急速に少子高齢化が進んでおり工場現場では人員募集を行っても中々集まらない状態が続いています。そのため中国の製造業では人に頼らない自動化が急速に進んでいます。
弊社HSTはシステム開発をメインとした企業ですが、設備連携などハード機器を含めた開発も対応しています。パートナーのマテハン企業の設備機器を通じて、各設備のコントロールと制御の仕組みをお客様にご提供しています。
本記事では中国の製造工場の現場で完成品のパレット積載からストレッチフィルム包装、製品倉庫への入庫作業を完全に自動化したお客様の導入事例をご紹介します。
導入した設備機器はそれぞれ異なるメーカーの設備のため、バックヤードで弊社のようなシステム会社が制御を行い、設備同士を連携させる事で完全自動化が達成できる点がポイントとなっています。
この記事の目次
・システム導入範囲とお客様の基本情報
・中国製造業の製品倉庫システム導入のポイント
・中国製造業の自動化運用に関するマテハン設備イメージ図
・中国製造業の自動化運用に関するマテハン運用イメージ
システム導入範囲とお客様の基本情報
システム導入範囲
導入したマテハン設備はベルトコンベア、パレタイザー、ストレッチフィルム包装機、AGV。
システムは各マテハン設備を連携する上位システム(各設備の稼働、AGVへの指示、各設備の移動と倉庫への入庫)、実績データの管理と出力。
お客様情報
【本社基本情報】
設立: 1925年
従業員:3,252名(連結34,198名)
【中国拠点情報】
拠点:上海市、江蘇省、福建省
取扱品:食品製造
製品倉庫システム導入のポイント

積載運用の自動化による省人化
今までパレット積載、ストレッチフィルムの包装、製品倉庫への運搬を全て人の手で対応していました。
それぞれの工程は必ず人が作業を担当していましたが、今後は全ての作業を設備が自動的に作業を行うため、省人化を達成しました。
自動化で長時間の積載運用が可能
工場を24時間体制を実現しようとすると人の手配、残業代がネックとなっていました。人材募集をかけても人が集まらない。集まってもすぐに辞める。
そのような状態で安定した24時間稼働の生産計画の検討が難しかったのですが、自動化で長時間運用が可能となり物流に関するスタッフの手配が少なくなり、募集人員は少なくコストを抑えて24時間計画を立てられました。
上位システムで制御しマテハン機器を連動
全てのマテハン機器を上位システムで制御し一元化を実現を達成しました。
今回パートナーのマテハン設備メーカー様がコンベア・パレタイザー・AGV・ストレッチフィルム包装機の運用方法を設計し、その全ての設備の制御を弊社が全て開発する運用を採用しました。
そのためお客様はトラブル発生時の窓口は一本化され、トラブル発生後の問題点の追求や解決までの対応が迅速にできる点が喜ばれています。
実績データのデジタル化
人に頼った作業の場合、スタッフに日報を書かせる事も業務の一貫でしたが、書き忘れや書き漏れ、提出遅れなど日々の稼働状況を正確にリアルタイムに確認すること自体が困難でした。
自動化後は作業情報をシステム内で収集し日報情報として利用できるので、データ精度も高く・リアルタイム・記入作業も不要で管理が楽になりました。
中国製造業の自動化運用に関するマテハン設備イメージ図

イメージ図はお客様の倉庫運用の検討時の設計例となります。
ステップ1:製品の搬出
工場の製造工程で梱包された製品がベルトコンベアを通じて搬出されます。
ステップ2:製品のパレタイジング
搬出された製品は品番別に仕分けされロボットパレタイザーからパレタイジングされていきます。パレタイジング時はAGVに信号を送り、空パレットを指定のパレタイザーの搬出口まで移動させパレタイジングを開始します。
ステップ3:AGVによる製品パレットの各工程への搬送
積載が完了したパレットはAGVがそのままストレッチフィルム包装機へ搬送し包装します。包装が完了するとAGVが製品倉庫エリアに搬送する運用となっています。
各作業時に必要となるAGVの移動はパレタイジングや包装機の信号と連携し弊社が全体をコントロールしています。
中国製造業の自動化運用に関するマテハン運用イメージ
イメージ図でもご紹介しましたが、コンベアで運ばれてきた製品段ボールは、まず品番情報をスキャンし読取りして選別し、パレタイジングを実施します。またパレタイジングで必要となるパレット供給もAGVが自動で搬送します。
パレタイジングが完了するとAGVがストレッチフィルム包装機まで搬送し包装が完了すると、AGVがパレットを倉庫まで搬送し搬送が完了したAGVは所定の位置まで戻る仕組みとなっています。
記事のまとめ
いかがでしたか?
製品完成後のパレット積載から製品倉庫の入庫までの自動化の運用をご紹介しました。
中国の倉庫業ではマテハン機器による自動化は急務となっています。ご興味のある企業様、お問い合わせください。経験豊富なスタッフが貴社工場の状況に応じたご提案をいたします。
自動倉庫と連携した自動化運用の導入例はコチラの記事をご覧ください。「中国自動倉庫(スマート倉庫)DXソリューション導入事例」
著作者:user6702303/出典:Freepik