完成した製品のパレタイジング作業と作業状況の実績を電子かんばん(モニター)で見える化を実現したお客様の導入事例をご紹介。
中国でも年々、工場内のIoT化が進んでおり、その一環として製品包装や製品のパレタイジング作業の自動化が進んでいます。
今回は製品パレタイジングと作業実績データの見える化、PLC連携で収集した情報を二次加工したパレタイジング運用のご紹介です。
この記事の目次
・システム導入範囲とお客様の基本情報
・パレタイジングシステム導入の背景
・パレタイジングシステム導入のポイント
・パレタイザー設備設置のイメージ図
・パレタイザー設備システム機能一覧
システム導入範囲とお客様の基本情報
システム導入範囲
パレタイジング設備
製品段ボールのパレタイジング作業、パレタイジング後にコンベアで排出口への移動
パレタイジング連携システム
パレタイジング作業中の情報・作業完了の情報の収集・パレットラベル発行実績収集、パレット識別のパレットラベル発行、作業実績やエラー発生時の警告の電子かんばん表示。
お客様情報
【本社基本情報】
設立: 1917年
従業員:17,336名
【中国拠点情報】
設立:1994年
拠点:上海、天津、江蘇、広州
取扱品:食品製造
パレタイジングシステム導入の背景
「省人化」「見える化」「正確な実績収集」の3点です。
年々中国では若い年代の人材募集が難しくなっており、特に工場など製造系のスタッフ募集は難航しています。また離職者も日本に比べて多く、安定作業を継続する難しさが日本以上にあります。
またスタッフに作業実績の情報収集を依頼しても手書きの場合は、記入不足や漏れ、忘れ、勘違いなどが発生し、高精度のデータが集計できず、現状の作業状態の共有も難しかったので、パレタイジングのデータを活用した自動化を考えていました。
そのため機械設備による省人化・自動化を検討していました。
パレタイジングシステム導入のポイント
自動化推進による省人化
パレタイジング作業、パレット搬出、積載パレットのラベル情報の記入作業が一気通貫で自動化となり、コンベアの搬出口にフォークリフトでパレットをピックするだけで製品入庫が可能になります。
長時間の作業が可能
ロボットアームとベルトコンベアによる運用に切り替わるため担当スタッフも最小限で運用が可能に。
3交代による24時間稼働もスタッフ手配が最少人数で対応できるため、繁忙期や生産計画の変更による長時間の運用にも適しています。
実績作業の見える化
現在パレタイジングしている作業状況、パレタイジング中の各ラインの製品名、発行したラベル枚数や発行履歴の情報を電子モニターで表示し共有化します。
スタッフ同時の情報共有化、メーカー様の見学時の印象アップにも効果の高い仕組みです。
実績データのデジタル化管理
作業スタッフによる手入力の運用をパレタイジングの作業データを利用し、実績のモニター表示・パレットラベル発行・日時別のデータ集計などデジタル管理が可能になります。
パレタイザー設備設置のイメージ図
製品段ボール箱にバーコードが付与されていると、今回の仕組みの導入が可能になります。
工場側より梱包した段ボールのバーコードをベルトコンベア上で読取り、パレタイジングする場所(ライン)を判断します。
識別された製品段ボールは、コンベアで分岐された後にロボットアームでピッキングしパレットに積載。製品がパレットに満載されると排出口へパレットが移動し排出に合わせて「パレットラベル」が発行されます。
パレットの積載が完了すると次に必要な空パレットがパレット挿入機より定期的にコンベアに供給されます。
パレタイザーの周辺にパレットラベルを発行するレーザープリンタ、電子かんばん、データ制御用のパソコン、パレタイザーを制御する制御盤を配置します。
パレタイザー設備システム機能一覧
今回のパレタイジングの設備にはシステム機能として以下の3つが搭載されています。
パレットラベル発行機能
先ほどの説明でも触れましたが、パレタイジング中の製品情報を読取り、製品を積載したパレットに貼り付ける「パレットラベル」を発行します。
パレットラベルには製品コード、名称、ロット情報(日時+時間)、お客様のご要望の情報を印刷します。またラベルにはQRコードなどバーコード情報も付与できますので、製品入出庫でご利用いただくことも可能です。
電子かんばん表示機能
パレタイジングの作業途中の情報、完了情報、パレットラベルの履歴、トラブル発生時の警告情報など、電子かんばんに表示する仕組みをご提供しています。
必要データ管理機能
パレタイジングのライン数、対象製品コード、ユーザー名、コンベアライン数などパレタイジングの管理、製品に関するマスタをシステム内で管理保管します。
マスタ以外に履歴データも保存しているため、必要に応じてデータ参照、データ出力による二次加工が可能となります。
記事のまとめ
如何でしたか?実際に導入したお客様の事例でした。
パレタイジング作業は包装後の製品段ボールのサイズや情報などの確認が必要ですが、工場の空きエリアが確保できていると比較的スムーズに導入可能な運用です。
中国の工場運営で自動化による省人化や作業の見える化を検討していた日系企業様、お気軽に弊社までご相談ください。工場の効率化のご提案をいたします。